3月に世界で発生した興味深い出来事をご紹介します。
各月の出来事
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今日は何の日 366日カレンダー
目次
3月1日 セイラム魔女裁判が始まる(1692年)
1692年3月1日、北アメリカ東海岸のマサチューセッツ湾植民地のセイラム村にてセイラム魔女裁判が始まる。
200名近い村人が魔女として告発され、19名の「魔女」が処刑されました。近世の魔女裁判の中で最も有名な事件であるとされています。
3月2日 明暦の大火(1657年)
1657年3月2日、江戸の大半を焼いた大火災「明暦の大火」が発生。
この火災により、外堀以内のほぼ全域、天守を含む江戸城や多数の大名屋敷、市街地の大半を焼失し、死者数については3万から10万と記録されています。戦禍・震災を除くと日本史上最大の火災であり、ローマ大火・ロンドン大火・明暦の大火を世界三大大火とする場合もあります。
これを契機に江戸の都市改造が行われ、御三家の屋敷が江戸城外に転出。防衛のため千住大橋だけであった隅田川の架橋(両国橋や永代橋など)が行われ、隅田川東岸に深川など市街地が拡大されるとともに、吉祥寺や下連雀など郊外への移住も進みました。
3月3日 ワシントン条約の採択(1973年)
1973年3月3日、ワシントンD.C.で「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)」が採択され、1975年7月1日に発効しました。
ワシントン条約は、野生動植物の国際取引の規制を輸出国と輸入国とが協力して実施することにより、絶滅のおそれのある野生動植物の保護をはかることを目的としています。
3月4日 パリのレストラン、トゥール・ダルジャンが開業(1582年)
1582年3月4日、レストラン「トゥール・ダルジャン」がフランス・パリのセーヌ川のほとりに誕生。
鹿狩りの帰りに偶然通りかかったフランス王アンリ3世の知る所となってからは上流階層の社交場として発展。その過程から「フランス料理の歴史そのもの」ともいわれます。1984年にホテルニューオータニ内に世界唯一の支店としてトゥールダルジャン 東京が開業しました。
3月5日 ボイジャー1号が木星に最接近(1979年)
ボイジャー1号は1977年(昭和52年)に打ち上げられたNASAの無人宇宙探査機であり、地球から最も遠い距離に到達した人工物です。
1979年(昭和54年)3月5日に木星へ最接近。数多くの重要な発見をもたらしました。翌年11月には土星に最接近しています。
ボイジャー1号は現在も運用されており、2025年頃までは地球との通信を維持するのに十分な電力を供給できると期待されています。
3月6日 ベガ1号がハレー彗星の核を撮影(1986年)
ベガ計画は旧ソ連による金星・ハレー彗星の探査計画。1984年に姉妹機となる2機の探査機(ベガ1号と2号)が打ち上げられました。
探査機はまず金星に近づいて着陸機と観測気球を大気中に降ろしてから、ハレー彗星に向かいました。
1986年3月6日、ベガ1号はハレー彗星から約8000キロメートルまで接近し、核部分を撮影。ベガの画像から核の長さは約14kmで、約53時間の周期で自転していることが分かりました。
3月7日 薩長同盟が成立(1866年)
幕末の1866年3月7日、薩長両藩は坂本龍馬らの仲介のもとにこれまでの対立反目を解消し、討幕のために薩長同盟を締結。
薩摩藩側から小松帯刀、西郷隆盛、長州藩側から木戸孝允らがそれぞれ代表として会見。これにより倒幕運動は大きく前進しました。
3月8日 忠犬ハチ公が衰弱死(1935年)
1935年(昭和10年)3月8日、渋谷駅の反対側でハチが死んでいるのが発見される。満11歳没。
渋谷駅では12日にハチの告別式が行われ、飼い主・上野英三郎の妻・八重や富ヶ谷の小林夫妻など多数参列。ハチは飼い主と同じ青山霊園に葬られ、その墓は亡き主人の墓のすぐ隣に寄り添うように立てられました。
3月9日 坂本龍馬襲撃事件(1866年)
薩長同盟の会談を斡旋した直後の1866年3月9日、寺田屋に宿泊していた坂本龍馬が伏見奉行の役人に襲われました。
龍馬はけがをしながらも脱出して九死に一生を得ることができました。これは寺田屋事件ともいわれます。
3月10日 富士山レーダー観測開始(1965年)
1965年3月10日、気象庁が富士山頂の富士山測候所に設置した気象レーダー「富士山レーダー」の運用が開始される。
1959年の伊勢湾台風は死者行方不明者5,000名という大災害となりました。これを受けて台風の位置を早期に探知することが社会的要請となり、気象レーダーの設置が決まります。設置場所はレーダーの電波が山岳で遮られることがないという観点から富士山頂が選定されました。
その後、気象衛星によって台風の接近を観測できるようになったことから1999年に富士山レーダーの運用が終了しました。
3月11日 東日本大震災が発生(2011年)
2011年(平成23年)3月11日午後2時46分、三陸沖の宮城県牡鹿半島の東南東130km付近で、深さ約24kmを震源とする地震が発生。マグニチュード9.0という国内観測史上最大の巨大地震であり、巨大津波が東日本の太平洋沿岸を襲いました。
本震による震度は、宮城県北部の栗原市で最大震度7が観測された他、宮城県、福島県、茨城県、栃木県などでは震度6強を観測しました。
各地を襲った津波の高さは、福島県相馬では9.3m以上、岩手県宮古で8.5m以上、大船渡で8.0m以上、宮城県石巻市鮎川で7.6m以上などが観測されたほか、宮城県女川漁港で14.8mの津波痕跡も確認されています。
大震災の犠牲者は東北地方を中心に12都道府県で18,425人の死者・行方不明者が発生しました。
3月12日 外国人客向けの旅行案内所(JTB)を創立(1912年)
1912年3月12日、外国人客を日本に誘致し、これら外国人客のために諸般の便宜をはかる目的でジャパン・ツーリスト・ビューロー(Japan Tourist Bureau)が創立される。
1945年に財団法人日本交通公社に改称、英文名称もジャパン・トラベル・ビューロー(Japan Travel Bureau)に改称。1963年には営利部門が株式会社日本交通公社(現在の株式会社JTB)として民営化され分離されました。
3月13日 日本初のプラネタリウムを設置(1937年)
1937年(昭和12年)3月13日に開館した日本初の科学館「大阪市立電気科学館」の目玉として東洋初のプラネタリウムが設置されました。
3月14日 上野動物園で象が脱走(1967年)
1967年3月14日、上野動物園でアジアゾウのインディラが運動場から脱走。
かつてインディラの飼育係をしていた病気休職中のベテラン飼育員・落合正吾さんが病床から駆けつけてインディラをなだめました。するとインディラの興奮がおさまり、その目がおだやかになりました。そして落合さん到着から10分もしないうちにインディラは無事に収容されました。そのとき落合さんはがん闘病中で8日後の3月22日に54歳で亡くなりました。
3月15日 カエサルが暗殺される(紀元前44年)
ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)は、ガリアを平定してギリシア・ローマ文化をヨーロッパ内陸部にまでひろめる基礎を築きました。
内乱の勝利者として終身独裁官となり世界帝国的視野に基づく変革を行いましたが、共和政ローマの伝統を破るものとみなされ、 紀元前44年3月15日に共和主義者のブルータスらに暗殺されました。その際に「ブルータス、お前もか」と叫んだとされます。
3月16日 マゼランがフィリピンに到達(1521年)
ヨーロッパ人によるアフリカ・アジア・アメリカ大陸への大規模な航海が行われた大航海時代。ポルトガル出身の航海者フェルディナンド・マゼランは、ヨーロッパから東洋の香料諸島(モルッカ諸島)への西回り渡航ルートの発見を目指して1519年9月にスペインを出航。
1520年10月に南米のマゼラン海峡を発見して太平洋に到着。太平洋を横断して1521年3月16日にフィリピン諸島に到達。しかし原住民と交戦して戦死。部下は航海を続けて1522年9月にスペインに帰国。最初の世界周航を達成しました。
3月17日 大浦天主堂で信徒発見(1865年)
江戸時代幕末の開国後の1865年2月19日、長崎県長崎市にあるカトリックの教会堂・大浦天主堂が完成しました。
正式名は「日本二十六聖殉教者聖堂」といい、日本二十六聖人(豊臣秀吉の命令によって長崎で磔の刑に処された26人のカトリック信者)に捧げられた教会です。
完成から約1か月後の1865年3月17日、10数名の男女が大浦天主堂を訪れ、プティジャン神父にキリスト教の信仰をもっていることを告白しました。この人々はキリスト教への厳しい弾圧を、不屈の信仰をもって耐え忍んできた人々の子孫だったのです。
3月18日 江崎グリコ社長を誘拐(1984年)
1984年(昭和59年)3月18日、江崎グリコ社長宅に犯人グループが押し入り、社長が誘拐され、グリコ・森永事件が始まりました。
社長は3日後に自力で脱出するも犯人はその後も恐喝を続けました。「かい人21面相」を名乗り、報道機関などに挑戦状を送る一方、青酸入り菓子をスーパーにばらまくなどして森永製菓など食品会社6社を次々と脅迫、多額の現金を要求しました。
2000年(平成12年)2月にすべての事件の公訴時効が成立し、警察庁広域重要指定事件では初の未解決事件となりました。
3月19日 フォークランド紛争が勃発(1982年)
1982年3月19日、アルゼンチン海軍艦艇がフォークランド諸島のイギリス領サウスジョージア島に寄港、民間人を装って無断で海兵隊員を上陸させる。
4月2日にはアルゼンチン陸軍が同島に侵攻。イギリスは機動部隊を派遣。2か月余りの戦闘の末、イギリスが勝利。現在もアルゼンチンは領有権を主張しています。
3月20日 地下鉄サリン事件(1995年)
1995年(平成7年)3月20日午前8時ごろ、東京の地下鉄丸ノ内線、日比谷線、千代田線の5本の地下鉄車内で、神経ガス・サリンが散布され、乗客・乗員ら13人が死亡、負傷者は6000人以上という国内最悪の無差別テロ事件となる。
警視庁はオウム真理教の犯行とみて3月22日に強制捜査。5月16日に教祖の麻原彰晃(松本智津夫)らを殺人などの容疑で逮捕しました。
3月21日 高松塚古墳の極彩色壁画を発見(1972年)
1972年(昭和47年)3月1日から関西大学と龍谷大学の研究者・学生グループによって高松塚古墳の発掘調査が始まり、同年3月21日に極彩色の壁画が発見されました。
極彩色壁画の出現は考古学史上まれにみる大発見として一躍有名になりました。高松塚古墳は特別史跡に、極彩色壁画は国宝に指定されています。
3月22日 ヘール・ボップ彗星が地球に最接近(1997年)
ヘール・ボップ彗星は、1995年7月22日にアメリカの天文学者アラン・ヘールとアマチュア天文家トーマス・ボップによって発見された彗星です。
彗星核は直径50km程度と見積もられ、過去に観測された彗星の中でも最大級の大きさ。
1997年3月22日に地球に最も近づき、1997年4月1日に近日点を通過するとピーク時には-1等級程度の明るさとなり、肉眼で18か月も見ることができました。
3月23日 天正遣欧少年使節がローマ教皇に謁見(1585年)
天正遣欧少年使節は、九州のキリシタン大名(大友義鎮、大村純忠、有馬晴信)の名代としてローマへ派遣された伊東マンショら4人の少年使節団。
1582年2月20日に長崎港を出港した天正遣欧少年使節は、3年後の1585年3月23日、ローマでローマ教皇グレゴリウス13世に謁見しました。
3月24日 徳川家康が征夷大将軍に就任 – 江戸時代が始まる(1603年)
1603年3月24日、徳川家康が征夷大将軍に任命されて江戸に幕府を樹立。江戸時代が始まりました。
家康の開いた江戸幕府は、15代将軍・徳川慶喜が朝廷に政権を返上した1867年の大政奉還まで264年間続きました。
3月25日 大塩平八郎の乱(1837年)
江戸時代後期の1837年3月25日、天保の大飢饉に対する大坂町奉行所の無策を批判して大塩平八郎とその門人、民衆らが反乱を起こしました(大塩平八郎の乱)。
大塩らは大坂の豪商を襲い貧民に米・金を与えるも一日で鎮圧され、大塩は自害。反乱は失敗に終わりましたが幕府の元役人だった大塩が、大坂という重要な直轄地で反乱を起こしたことは、幕府や幕政に不満を持つ民衆たちに大きな衝撃を与えました。
3月26日 ナンシー梅木が日本人初のアカデミー助演女優賞を受賞(1958年)
1958年3月26日に開催されたアメリカの第30回アカデミー賞において、日本の女優、ナンシー梅木(ミヨシ・ウメキ)が映画『サヨナラ』の演技でアカデミー助演女優賞を受賞。
アジアの俳優としては初のアカデミー賞受賞となりました。
3月27日 アラスカ地震(1964年)
現地時間1964年3月27日午後5時36分頃、アメリカ最北端のアラスカ州でアメリカ観測史上最大規模となるマグニチュード9.2の巨大地震が発生。
この地震で131人が死亡。9人は建物の倒壊など地震による直接の被害での死者であり、122人が津波の影響で亡くなりました。日本でも大船渡で75cmの津波を観測するなど、太平洋沿岸の広い範囲で津波を観測しました。
3月28日 名張毒ぶどう酒事件が発生(1961年)
1961年(昭和36年)3月28日夜、三重県名張市葛尾の公民館で地元の懇親会が行われたが、女性用に用意されたワインに農薬が混入されており、それを飲んだ女性17人が中毒症状を起こして5人が死亡。
この死亡した5人の女性の中に被告人の妻と愛人が含まれていたことから、被告人に殺人罪の嫌疑をかけられる。被告人は当初否認するも農薬混入を自白したとして逮捕。しかし逮捕後に犯行否認に転じる。
裁判で死刑判決が確定するも冤罪を訴えて生前9度にわたる再審請求を起こす。死刑確定から43年間にわたり死刑執行が見送られ続けた一方で、再審請求も認められることなく、2015年に八王子医療刑務所で死亡。
当事件を題材とした出版物・ドキュメンタリー番組・テレビドラマも多く制作されましたが、そのほとんどが「当事件は冤罪である」との立場に立ったものでした。
3月29日 メキシコのエルチチョン山の大噴火(1982年)
1982年3月29日、メキシコ南東部のチアパス州にあるエルチチョン山が噴火。
4月4日まで大規模な噴火が続きました。火口から約8キロの範囲に火砕流が流下し、周辺の村や町を直撃して2000人以上の犠牲者が出ました。噴煙は成層圏にまで達し、大量のエアロゾルにより翌年の世界全体の平均気温が0.3℃~0.5℃ほど低下したといわれています。
3月30日 アメリカがロシアからアラスカを購入(1867年)
1867年3月30日、アメリカ合衆国とロシア帝国の両政府間で、アメリカがロシアの植民地であったアラスカ(ロシア領アメリカ)を購入する条約が調印される。
購入価格は720万ドル。当初は「巨大な保冷庫を購入した」などとアメリカ国民に非難されるも、1896年にアラスカで金鉱が発見されるなど資源の宝庫であることが判明。1957年に大型油田が発見されたことで州として自立することが可能とみなされ、1959年にアラスカ州となりました。
3月31日 よど号ハイジャック事件(1970年)
1970年(昭和45年)3月31日、世界同時革命を目指す共産主義者同盟赤軍派のメンバー9人が羽田発福岡行きの日航機「よど号」をハイジャック。犯人グループは北朝鮮へ亡命する意思を示し、同国に向かうよう要求。
乗客は途中で着陸した福岡空港と韓国の金浦空港で解放され、4月3日に山村新治郎運輸政務次官が人質の身代わりとなって搭乗。飛行機は北朝鮮の平壌に行き、犯人グループはそのまま亡命。山村次官と3人の乗員は無事日本に帰りました。これは日本における最初のハイジャック事件でした。